小児歯科

子供のための 虫歯『ゼロ』ガイド

ママ・パパのお口は大丈夫?

虫歯は虫歯菌による感染症です。生まれたての赤ちゃんのお口には、細菌はいません。虫歯は周囲の大人から赤ちゃんにうつるのです。虫歯菌はとてもポピュラーな常在菌なので、感染しないで済むことはまずありません。最初の虫歯菌を清潔なお口からもらうのか、凶悪な虫歯菌のいるお口からもらうのかで将来虫歯になりにくくなったりなりやすくなったりします。

そこで大切なのが、ご両親の口腔ケアです。赤ちゃんに歯が生える前に、まずはママとパパがお口のクリーニングを始めましょう。

また、おっぱいや離乳食を与える前に手を洗うのと同じようにうがいをしましょう。コップ1杯の水でうがいをすると唾液の中の細菌を約75%減らすことができます。さらに歯磨きをすると90%の細菌を減らすことができます。

子供の虫歯予防のポイント

★『乳歯』…下の前歯が生えてきた(3~12か月頃、平均7か月)

まずは、口慣らしから始めましょう。機嫌の良いときにお口の中を覗いたり、清潔な手でお口の周りを優しく触ります。

また、食後ぬれたガーゼで拭くか、嫌がるようであれば、お茶や湯冷ましなどを飲ませてお口の中をきれいにしてあげましょう。

また、レノビーゴというフッ素配合スプレーを(7~8プッシュを歯ブラシにつけて磨く、ガーゼに吹きつけて拭く、直接吹きつけるなどして)使用すると虫歯予防に効果があります。レノビーゴはフッ素濃度が低く、うがいをしなくても良いので歯が生えてきた頃から使用できます。

上の前歯が生えてきた(平均10カ月)

食後ぬれたガーゼで拭きましょう。歯ブラシを持たせたり、口にくわえさせたりして歯ブラシに慣らしていきましょう。続けてレノビーゴを使用すると良いです。

奥歯が生えてきた(1歳6か月)

1歳半ごろになると奥歯が出てきて、いよいよ歯ブラシを使っての歯磨きが大切になってきます。保健所の1歳6か月歯科検診を受け、歯科医師に歯の状態をチェックしてもらいましょう。早いお子さんでは、虫歯になってることもあります。

この頃から、歯科医院で診察を受け歯磨きのポイントを教えてもらいましょう。このとき、フッ素塗布をしてもらうといっそう虫歯予防の効果があります。

また、自宅ではレノビーゴを歯ブラシに吹きつけて歯磨きし、加えて、フッ素入りのジェル(チェックアップバナナ)を使用すると虫歯予防に効果的です。

20本の乳歯が生えそろった(2歳6か月頃)

2歳半ごろに20本生えそろいます。3歳ごろから虫歯になっていくことが多いようです。特に、上の前歯の間と下の一番奥の溝です。この時期は頻繁に歯科医院の検診を受け、必要な治療とフッ素塗布をし、歯磨きのポイントも教えてもらいましょう。歯と歯の間は歯ブラシに加えてフロス(糸ようじ)を使用すると良いです。また、ぶくぶくうがいができるようになったら、自宅でのミラノールによるフッ素洗口と、フッ素入り歯磨き粉(チェックアップ)の使用も虫歯予防に効果があります。

★『永久歯』…6歳臼歯が生えてきた(6歳頃)

噛む力が大変強く、歯並びの中心となる大切な歯です。溝が複雑で虫歯になりやすいことが多いので、必要であれば溝を埋めるシーラントという予防処置をします。

6~13歳頃が乳歯から永久歯への生えかわりです

特に奥歯の溝と上の前歯の間が虫歯になりやすい場所です。3カ月~半年に一回は歯科医院で定期検診を受け、フッ素塗布をしてもらいましょう。 シーラント処置も必要に応じて行い、虫歯の早期発見、早期治療に心がけ、小さい虫歯のうちに治療しましょう。

食生活について

丈夫な歯を作るためには、
バランスの良い食生活が大切です。

赤ちゃんの食事 (ミルク編)

離乳食が始まるまでは、母乳やミルクが赤ちゃんの栄養源です。お母さんのきちんとした食生活が大切です。 ただ、新生児期を過ぎ、授乳のリズムが一定になったら、赤ちゃんの口の中の清潔を保つためにも、だらだら飲みを避けるようにしましょう。

赤ちゃんの食事 (離乳食編)

離乳食が本格的に始まったら、カルシウムやタンパク質を多く含む食品を積極的に食べさせてあげましょう。 具体的には、しらす干しや煮干しなどの小魚、大豆製品、乳製品、緑黄色野菜、海藻類、肉、魚などです。 食べ物をよく噛まずに丸飲みすることがあるので、離乳食の量や硬さに注意してあげましょう。

哺乳ビン虫歯について この時期に、おっぱいや哺乳ビンでミルクを飲ませながら子供を寝かしつける習慣が続くと、上の前歯の特に裏側が虫歯になることがあります。1歳を過ぎたら、コップで飲む練習を始めましょう。

哺乳ビンでジュースは歯を溶かす原因に!

乳歯は軟らかく、酸に溶けやすいので日常的に哺乳びんでジュースを飲ませていると、前歯の裏側が集中的に溶けてしまいます。また、ミルクと同様にジュースを哺乳ビンで与えたまま寝かせる習慣はやめましょう。

もし飲みながら寝てしまった場合は、ぬれたガーゼで前歯の裏側を中心にぬぐってあげましょう。

虫歯予防には『噛むこと』が大切

よく噛んで食べると、虫歯を予防する働きのある「唾液」の分泌がさかんになります。また、脳が刺激され頭の働きがよくなり、精神も安定します。小さいうちからよく噛む習慣を身につけさせましょう。

ただし、いきなり硬いものや、繊維質の多いものを与えてしまうと、丸飲みしたり、好き嫌いとなってしまうことがあるので注意が必要です。3歳ぐらいまでは、焦らず子供の発育に合わせて、少しずつ噛む練習をしましょう。

おやつは甘いものを避け手作り中心に!

市販のお菓子や清涼飲料水は、歯にとって大切なカルシウムと結合して体外に排出させてしまう添加物や『糖分』を多く含んでいます。お母さんの手作りなら、無添加で砂糖も減らせます。ちょっとした手間でバランスよくできます。

キシリトール入りガムは、虫歯を作らない効果があります。

酸蝕歯とは?

歯は酸に弱く、酸性度の強い(すっぱい)飲み物や食べ物に長く触れるほど溶けてしまいます。これを「歯の酸蝕」といい、酸蝕によって病的に傷んでしまった歯を「酸蝕歯」といいます。

虫歯は虫歯菌が出す酸によって歯が溶け、歯の溝や汚れの溜まった場所から限局的に始まります。それに対して酸蝕は、酸性の飲食物に繰り返し触れている歯面に起き、広範囲の歯に被害が拡大しやすいのです。

コーラなどの炭酸飲料、スポーツドリンク、ジュースなどにはすっぱさは感じませんが、じつは酸が入っていて歯が溶けやすいです。だらだら飲み、ちびちび飲みなどはさせないようにして、水やお茶を取り入れましょう。また、グレープフルーツや梅干しなども酸が強いので注意しましょう。

たくさん噛んで『唾液』をいっぱい出そう!!(1口30回は噛みましょう)

『唾液』は口の中の汚れを洗い流し、歯の表面をきれいにします。また、歯を溶かす歯垢の酸度を弱める作用もあります。さらに、唾液に含まれるミネラルなどのタンパク質は、カルシウムと結びつき、歯の中に染み込んで歯を丈夫にします。

カルシウムをたっぷり取り、よく噛み、唾液を十分に分泌させ、歯を強くしましょう。

フッ素でむし歯予防!

フッ素はむし歯予防に大変有効です!

フッ素塗布統計によると、1歳6ヵ月より半年に1度、計4回フッ素塗布をくりかえしたところ、3歳児でのむし歯の数が一人平均約半分に減少したという結果があります。

フッ素塗布の効能

1ミュータンス菌の働きを抑える

プラーク(歯垢)の中には、ミュータンス菌(むらさき色のバイ菌)といって、砂糖をとりこむと強い酸を発生する菌があります。
フッ素(青色)は、菌が出す酸の発生を抑える働きがあります。

2エナメル質を強化

フッ素(青色)は、歯の表面にあるエナメル質を強くし、酸に対しての抵抗性を強める働きがあります。特に乳歯や永久歯が生え始めてから2~3年は、まだ未熟でむし歯になりやすい時期なので、フッ素を繰り返し塗っていきましょう。
フッ素は、食品の中にも(魚、野菜、くだもの、お茶、肉など…)少しではありますが含まれていますし、私たちの歯や骨、血液中にもフッ素は存在しています。

フッ素塗布の効果

初診時の写真を見ていただくと分かるように、歯と歯ぐきの境目が白い斑点状にみえるのが、初期むし歯といわれる状態です。
歯科医院でフッ素を定期的に塗り、家での間食をお菓子から果物に、そしてジュースをお茶などにかえた場合、歯の再石灰化が進みます。

フッ素塗布の方法

「歯ブラシ法」:フッ素 (商品名:フルオールゼリー、歯磨き粉のようなもので甘酸っぱいりんご味がします)を歯ブラシを使って歯の隅から隅までしっかり塗ります。塗布後30分間は飲食やうがいはがまんしましょう。

フッ素塗布の期間と時期

通常は1年に2~3回塗布ですが、むし歯になりやすいと判断された場合には、さらに回数を増やしたほうが良いでしょう。第二大臼歯がしっかり生えそろう13歳~14歳ぐらいまできっちりと塗布しましょう。継続しての塗布が虫歯予防に効果的です。

フッ素でむし歯予防!

フッ素は歯を強くし、むし歯予防に効果があります。
いろいろなフッ素商品がある中で、おすすめ商品をご紹介します。

自宅では

歯が生え始めたら(平均7ヵ月頃)
低濃度で小さいお子さんから、安心して使えるフッ素配合スプレーです。
食後、ぬれたガーゼか歯ブラシで歯をきれいにした後、直接歯に吹きかけるか、ガーゼ、歯ブラシに吹きつけて使用します。

【商品】レノビーゴ 1,000円

ぶくぶくうがいができるようになったら (2歳6ヵ月)
この頃からむし歯になっていくことが多いようです。
自宅でフッ素入りの歯磨き粉を使用していきましょう。

【商品】チェックアップ 260円

~よりむし歯予防効果を高めたい方には~

1【商品】チェックアップジェル (ジェルタイプ) 520円

通常の歯磨きの後に使用するフッ素入りジェルです。
※うがい不要

2【商品】ミラノール (洗口タイプ) 800円(容器代別売り 230円)

1日1回夜の歯磨きの後、このフッ素入り洗口液で、うがいをして予防します。

歯科医院では

自宅の歯磨き粉の10倍の濃さ!
奥歯が生えてきた1才6ヵ月頃になると、早いお子さんではむし歯になっていることもあります。

この頃から、自宅ケアと合わせて、歯科医院で定期的(3~4ヶ月に1回)に検診し、歯の生えそろう13~14歳ころまで濃度の高いフッ素を塗って予防していきましょう

【商品】フルオール・ゼリー 1回900円

MIペースト

初期虫歯を再石化させたい!虫歯予防したい!
という当院からのオススメです。

1本40g 1700円(4ヶ月分)

*使用量を約1cm(0.3g)とした場合、1本(40g)で130回以上(1日1回で約4ヶ月間)使用できます。
*乳製品アレルギーの方は使用できません。

使用方法
  • 1歯磨き粉で歯を磨き、お口をゆすぐ
  • 2指、※綿棒、ハブラシにつけて歯全体に塗り込む
  • 33分間そのままにして、軽く吐き出す
  • 4この後、30分はうがいや飲食をしないようにしましょう。

※綿棒が一番効果的です。

歯の質を強めてむし歯を作らない為に
歯のミネラルパックはじめませんか?

私たちの歯はハイドロキシアパタイトと呼ばれる結晶からできており、カルシウムやリンといったミネラルで構成されています。しかし、お口の中には酸を作り出す細菌がたくさんいます。

私たちが飲食するたびにお口の中の環境は酸性に傾いていきミネラルを少しずつ溶かしていきます。その状態が進行し肉眼でも分かる穴ができてしまった状態が虫歯です。

MIペーストに含まれる、CPP−ACP(リカルデント)により酸性になった環境を中性に戻します。

脱灰(酸によりエナメル質が溶け出した状態)」していた歯も「再石灰化(ミネラルが補給された状態)」し、より質の強い歯になり、虫歯予防にも繋がります。

CPP−ACP(リカルデント)とは

昔から乳製品や牛乳を多く摂取する人には虫歯が少ないという観点に基づき、メルボルン大学のレイノルズ教授らのグループによって発明されたもので、牛乳カゼインを、より虫歯の予防効果が高い体に取り込みやすい形に化学変化させたものです。

効果
  • 虫歯のはじまりを抑える(脱灰抑制効果)
  • エナメル質にミネラルを取り戻す(再石灰化効果)
  • 歯を溶けにくくする(耐酸性効果)

その他、MIペーストの適応症

1虫歯になりやすい方

プラークをできにくくし、虫歯の活動を抑え、虫歯になりにくい歯にする効果があります

2知覚過敏

カルシウム、リンのミネラルによって歯質を強化し、知覚過敏を緩和させる効果があります

3ドライマウス、口腔乾燥症

唾液の分泌を助ける効果があります

4矯正治療の方

プラークをできにくくし、装置をつけたことによって、歯の表面が荒れてしまったエナメル質の艶を改善する効果があります

5大人の歯が生えてきた6歳以上のお子さん

カルシウムとリンによって、エナメル質を強化し、大人の歯を健康に保つ効果があります

6歯にホワイトスポットと呼ばれる白い抜けがある方

ホワイトスポットを予防、緩和する効果があります

MIペーストの成分

しかも!MIペーストの成分は唾液と比較すると"リン"22倍
"カルシウム"はなんと190倍も入っているんです!!

"フッ素""カルシウム""リン"を歯の内部に運ぶ役割があるので、『フッ素入りの歯磨き粉』で磨いた後に『MIペースト』を使用するとより効果的です。

注意

牛乳由来成分を使用しているので、
牛乳アレルギーの方は摂取を避けて下さい!