歯並びが悪くなる理由

 

こちらのページのご説明

 歯並びの原因として「遺伝」が考えられがちですが、実は一番の大きな原因ではありません。

当医院では根本原因を知り、原因から解決していく治療をしております。

なぜ歯並びが悪くなるの?

なぜ歯並びの綺麗な子供と悪い子供がいるのでしょうか?両親からの遺伝も大きく関わりますが、兄弟でも歯並びがとても良い兄、悪い弟という場合もあります。

歯並びの良し悪しの大きな原因の一つは、実は「舌」の動きに大きく左右されます。なぜならば、「舌」は筋肉のかたまりであり、この「舌」が特に咀嚼と嚥下の機能時に、どこを押し続けるか、どこを圧迫し続けるかで歯並びが決まります。本来「舌」の正常な定位置は、上の前歯の内側にある切歯乳頭の部分に位置し、咀嚼、嚥下運動の時、上顎(口蓋)を圧迫します。歯並びが悪い子供はそれができていません。

それではなぜ「舌」が正常に動かないのでしょうか。それは鼻での呼吸が苦しく、呼吸を主にお口でしているためです。食べること(咀嚼、嚥下)と呼吸を同時に行なわなければならない時、「舌」は正しい動きをせず、「舌」が色々な不適切な場所を押し続け歯並びを悪くしていきます。それゆえ歯並びの改善のためにも口呼吸を鼻呼吸へと改善しなければなりません。

また、頬杖や睡眠時の体勢なども歯並びに影響します。

口呼吸はわざわいのもと

かつらファミリー歯科医院には、幼児から小児の歯並びに関する相談が数多く寄せられます。

実は、子供の不正咬合(歯並びの悪さ)は、遺伝的なものもありますが、口呼吸による舌の位置と舌の動きに大きく影響されています。

お子様は"口呼吸"をしていませんか?
このような『ポカン口』が"口呼吸"の特徴です。
"口呼吸"は歯並びに悪影響しますが、以下のような健康上の問題を引き起こします。

"口呼吸"による健康上の問題

1風邪などをひきやすい感染しやすい体質になる

2口渇(唾液の減少)による免疫能力の低下

3口腔乾燥による虫歯・歯肉炎の発症

4扁桃が乾燥して腫れやすくなるため免疫能力の低下

5脳が冷えない(鼻呼吸による副鼻腔が冷えない)ために集中力の低下⇒記憶力、学力への悪影響

6睡眠時の無理な呼吸による睡眠障害体力の消耗

「口呼吸」により扁桃が腫れ、「気道」が狭くなる。「気道」が狭くなることが健康上、種々の問題を引き起こす原因となる。

以上のような悪影響があるため早めに耳鼻科、歯科医院で"口呼吸"を"鼻呼吸"へと改善することが大切です。

"口呼吸"を"鼻呼吸"に回復させることにより、"健康な生活の獲得"、"顔面部の正しい成長"、"歯並びの改善"へと導くことができます。

"口呼吸"をしながらの食事・嚥下が歯列不正の大きな原因です

歯並びがきれいな子の特徴

1食事は口で、呼吸は鼻でしている。

2嚥下時(食べ物を飲み込む時)、舌背が上のアゴを圧迫し押し広げる矯正力を自然に働かせている

口蓋(上アゴ)の真ん中には「正中口蓋縫合」という骨のつなぎ目があります。

学童期(〜12歳ぐらい)までは、このつなぎ目がやわらかく、痛くなく容易に広がります。

嚥下時、舌が口蓋(上アゴ)を面と面で正しく圧迫させるため、つなぎ目を正しく広げ成長させてくれるおかげで、歯の並ぶスペースが確保され、きれいな歯並びが出来上がります。
(1日の嚥下回数:1200〜2400回)

"口呼吸"のお子さんは要注意!

しかしながら、呼吸が鼻でできない子供の場合、生きるために"呼吸も口"で、"食事も口"でしなければならず、嚥下時も息が苦しい ため舌で口蓋(上アゴ)を圧迫することができません。

食事中の特徴として"ペチャペチャ"音をたてて食べていたり、食事中息が苦く飲み込めないため、やたら食事の時間が長かったり、逆に一気に咬まずに飲み込むため短時間で食事が終わってしまったりします。

いずれにしても舌が口蓋(上アゴ)を圧迫しておらず、口蓋(上アゴ)の成長を促しておりません。このことが大きな歯列不正の原因のひとつです。またその時の舌の動きが種々の不正咬合を引き起こします。

この中で1つでも当てはまるものがあれば「口呼吸」の可能性があります。
3つ以上あれば要注意です!

家族みんなで「口呼吸」をチェックしてみよう!

お子様の舌を診てもらったことがありますか?

舌小帯短縮症をご存知ですか?

今まで検診の際に歯医者さんで舌を診てもらったことはありますでしょうか。

歯だけではなく、舌がどんな状態であるのか診てもらうのが大切なポイントです。


「舌小帯短縮症」は、咀嚼、嚥下運動が不十分となり、全身の発育にも悪影響がでるのみならず、発音、歯並びへも影響してきます。

 このようなイラストの、反対咬合(受け口)開咬(奥歯で噛んだときに前歯が開いている)などの原因の多くは、舌小帯短縮症です。

また全体的に、がたがたしているような歯並びも舌が大きな原因であることが多いです。

舌小帯短縮症とは…

「舌小帯」とは、舌の裏側と下の歯肉の真ん中の内側をつなぐ膜(帯)のようになったものです。「舌小帯短縮症」とは、この膜(帯)が極端に短く、舌の運動に自由性が失われた状態のことを言います。小帯が舌先になればなるほど、舌の運動が制限され、哺乳力が弱くなり、体重増加が悪くなります。

症状

1舌が前に出ないので、哺乳しにくくなります。

2タ、ラ、サ行の発音がうまくいかなくなります。

3嚥下機能(物を飲み込む運動)が低下します。

4舌が嚥下運動時、上顎を圧迫することが少ないため、上顎の成長が不十分となり、歯並びにも悪影響を及ぼします。

5舌の運動が制限されるため、咀嚼運動が十分に行われません。

心当たりのある方、舌を歯医者さんでまだチェックしてもらっていないお子様は、一度歯医者さんでぜひご相談ください。